Cosmo-kun2005-02-28

  私が育児休業を取得して、早7年になります。つわりで気分がすぐれない中、通常業務はもとより海外出張までこなす妻を見て、何かもっとできないかと考え、「代わりに生むことはできないが、育てることはできる」と育休を決意しました。私たちが勤める会社は、当時から、人種・国籍・性別・年齢などの違いが生み出す「多様性」を活用することを奨励する会社でしたが、それでも男性の育休は珍しく、上司にはおそるおそる切り出したものです。しかし「君と家族にとって素晴らしいことだ。応援するよ」と逆に勇気づけられました。
  育休生活は、最初は、おむつ換えやミルクのたびに服まで汚してしまい、洗濯に追われる毎日でした。徐々にコツをつかみ、気持ちに余裕が出てくると、今度は周囲が気になりだし、散歩中に奇異な目で見られているように感じたりもしました。しかし、日々成長し変化する人間の神秘とでもいうものに立ち会えたのは、人生の大きな財産になりました。今でも、娘の誕生日に新聞の切抜きや小さい頃のビデオを見せては、「誰のおかげで大きくなったと思ってんのや」と恩を売っています(笑)。
  現在は、家族そろってベルギーに海外赴任中です。私も妻も娘もそれぞれ「日本人は一人」という環境で、以前にもまして多様性にもまれる毎日です。が、夫婦共働きで、生まれた時から妻、私、私たちの親、保育所とさまざまな人たちとの「育児の共有」の輪の中で育った娘は、70カ国以上から生徒の集う現在の学校でも、文化や習慣、考えの違いを楽しみながら、新たな価値観を育んでいます。晩御飯の時には、「アップデートタイム」といって、その日にあった事について家族で話し合っていますが、娘の学校での出来事、発見から私たちが学ぶことも多々あります。「育児は育自」とはよくいったもので、いつかは卒業する子育て、しっかりと向き合って、私たち一人一人の「個育て」にもつなげていこうと思います。

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